水不足は、世界的に深刻化している問題であると同時に、多くの人道危機の原因となっている。ローランド・ベルガーは、代替水源と大規模な行動変容の両方に注目し、水が経済にもたらす課題や機会について研究を行った。


“脱炭素マーケティング”を起点にした全社変革
By 神谷 洋次郎
「EU出自のコンサルティングファームとして、EUが脱炭素をどの様に推進しようとしているか、その思想や多くの具体的な事例の理解を踏まえながら、悩みを抱えながらも変革を進め、中長期的な成功に至るきっかけを提供できれば幸いである 」
脱炭素が進展する中、エネルギー供給のみならず、排出削減に必要なエネルギー調達・活用、その為に最適な製造等設備の入れ替えや更新に対するアドバイザリー、またその実現に必要なDX関連ソリューションといった、課題解決型のサービスが求められている。
どの産業や顧客が優先して再エネや関連サービスをどれくらい調達・購買するか、またどの程度割高であっても支払う意思があるか、というのは不透明な部分が多い。その結果、何をすれば脱炭素に伴う顧客のニーズ変化に合わせて収益を維持・増加させることが出来るか、という点で悩みを抱えているエネルギー供給事業者は多いだろう。
また、脱炭素関連商材を扱う他の事業者も、どういった顧客向けにどの程度の規模、また時間軸で提供していくのか、またその為に、DX含めた必要な投資やサプライチェーンを整備していくのか、効果的な意思決定を進める上で難しさを感じる事業者は多いのではないか。
昨今のトランプ政権の政策・方向性が、更に外的環境の不透明性を増しており、脱炭素を新たな企業価値向上の機会としての取り組むには、営業部門だけ、製造部門だけという個別機能単位ではなく、全社としての対応・推進が必要となっていることが多いだろう 。
本スタディでは、脱炭素を新たなる競争優位と事業価値を向上する機会として捉え、全社的な変革を実現する為の“脱炭素マーケティング”という考え方や、その導入・活用に必要な仕組みや課題への向き合い方のヒントを以下の4つのポイントを通じて提示したい 。
- 脱炭素社会で変革が求められる背景
- 更なる企業価値向上に向けた変革の必要性
- 変革を実現するためには何が必要か
- 現実的且つ効果的に推進するためには
