地域の人々を支援する、サステナビリティへの取り組み

地域の人々を支援する、サステナビリティへの取り組み

コロンビア、エチオピア、インドネシアにおける環境保護活動の推進

私たちは、大気中のCO2量を削減する環境保護活動のプロジェクトに投資することで、事業活動から発生している排出量をオフセットし、二酸化炭素排出量をゼロに到達させる2028年までに( ローランド・ベルガーNet zero emissions )、カーボンニュートラルを実現する見込みです。

支援する環境・社会貢献プロジェクトは、コロンビア、エチオピア、インドネシアを含む3大陸にわたって展開されています。

カーボンオフセットの仕組み

オフィスへの電力供給や、クライアント先への出張など、私たちは事業活動を通じて、CO2を排出しています。そこで、その排出量をオフセットするために、カーボンクレジット(二酸化炭素排出権)を購入する取り組みを会社として行っています。1つのクレジットは、1トンのCO2を大気中から回避・除去することに相当します。また、各カーボンクレジットは独立した標準化機関によって、プロジェクトの「質」の高さが認証されています。
ローランド・ベルガーは、「Gold Standard」または「Verified Carbon Standard(VCS)」のいずれかを満たした高品質のクレジットを購入しています。全てのプロジェクトは、CO2の排出を防ぐ(オフセット)、または物理的に大気から取り除く(隔離)ことにより、CO2削減に貢献することができるのです。

3大陸で展開する環境・社会プロジェクト

すべてのプロジェクトは、気候、生物多様性、天然資源を保護するという目標で共通するだけでなく、新たな経済的な見込み、より良い生活環境、持続可能な活動、教育的取り組みを通じて地域の人々に利益をもたらすという点で一致しています。

コロンビアでのプロジェクトでは、乾燥したサバンナの風景を豊かな森林地帯に変えています。森が天然資源を提供するとともに、炭素吸収源としての役割も果たします。さらに、地域住民の雇用機会も広がります。
エチオピアでは、サステナブルで効率の高い調理用ストーブを農村に導入しました。このストーブは木質燃料をあまり必要としないため、コスト削減につながるだけでなく、CO2排出量も削減できます。
また、インドネシアでは、河川の水力発電を利用して、美しいスマトラの生物圏を保全するプロジェクトを行っています。このプロジェクトは、地元の人々を雇用し、訓練の機会を提供することで、地域経済の活性化につなげています。

上記の取り組みは、プロジェクト開発および地球規模の気候サービスを提供するリーディングカンパニーであるSouth Pole社とのパートナーシップにより行っています。

コロンビアにおける森林再生による温室効果ガス削減の取り組み

かつては砂漠、いまはオアシス——コロンビアとベネズエラの国境近くには、かつてサバンナだった大地が広がります。ビチャダ気候変動植林プロジェクトの発起人は、この土地を、在来の動植物の生息地となる生物多様性の高い森をつくり、温室効果ガスの緩和を図るチャンスと捉えました。

プロジェクトメンバーたちは現在、森林再生と植林、生物多様性保護と生態系再生を組み合わせて、オリノコ川流域に広がるサバンナを森に変えようとしています。森林に期待されているのは、高品質な硬木材の生産と、大気から大量の炭素を吸収することです。これらの森林は野生動物の自然な生息地となり、水を貯め・ろ過し、土壌を豊かにし、土壌に炭素貯留することができます。

また、このプロジェクトは雇用機会を創出し、地域経済のさらなる発展に貢献します。従業員や地域住民のスキルアップのために、リーダーシップや能力開発プログラムが提供されています。さらに、多国籍チームが気候変動やサステナブルな活動の重要性について教育を行い、地域住民が新しい森林を守ることができるようにします。

Infobox

- 毎年平均51,000tCO2eを削減
- 約13,205ヘクタールの植栽地
- 約8,090ヘクタールの保全地域
- 地域住民のために80件の新規雇用を創出
- 8,000万本の木を植樹(3種)

エチオピアにおけるよりサステナブルな調理の実現

健康と家庭を豊かに――エチオピアの農村では、通常、調理は直火で行われ、そのために大量の木質燃料が必要とされます。エチオピアの村では伝統的な藁葺き屋根の家が多いため、直火はしばしば住宅火災を引き起こし、濃い煙は呼吸器系の合併症や関連する病気の原因となります。また、薪燃料の需要は、この国の荒廃に繋がる森林の減少や劣化の問題にも拍車をかけています。エチオピアの森林面積は毎年推定141,000ヘクタール伐採されています。

South Poleプロジェクトでは、エチオピアの伝統的な直火炊きを行っている家庭を対象に、低コストで高効率な2種類の調理用ストーブを提供し、村の経済と健康促進を支援しています。これらのストーブは、粘土、セメント、軽石、金属などのサステナブルな材料を使い、現地で製造されています。カーボンクレジットの販売で得た資金は、プロジェクトに充てられ、余剰分は地域社会に還元されます。

より効率的なストーブにより、温室効果ガス(GHG)の排出が削減され、常に新鮮な薪を供給する必要性からも解放されます。これにより、周囲の森林が成長・再生し、農地に多くの水と健康な土壌をもたらすため、土地の質が大きく改善されます。

Infobox

- 農村部の家庭に10万台以上の高効率ストーブを配布
- 調理用ストーブ1台あたり平均1.11トンの薪の節約に成功
- 調理用煙の減少による村民の健康改善
- 女性の労働・就学時間の増加
- 年間約101,000トンのCO2削減効果

水力発電でインドネシアの植物を守る

水流の力を利用して、エネルギーへのアクセスを向上させる。インドネシア最大の島のひとつであるスマトラ島は、青々とした熱帯雨林と広大な南国のビーチで有名です。オランウータンやゾウ、トラなど、さまざまな動物が生息しています。しかし、残念ながら、森林伐採や密猟、生態系への配慮の欠如により、スマトラ島の美しい自然は破壊されつつあります。

スマトラ島のSouth Poleプロジェクトは、この貴重な環境を守るため、レヌン川とその支流の水力を利用し、再生可能エネルギーを生み出すことを目的としています。これは、地下パイプラインを利用した系統に接続する発電プロジェクトで、1つの水源に負担をかけないように複数の川から取水し、下流の水量を十分に確保します。水力発電により、温室効果ガスを排出する化石燃料を削減することができます。

また、新しい持続可能な開発のための電力供給と、島の景観や植物を保護することのバランスを取るための対策も講じられています。さらに、地元の人々に雇用の機会やトレーニングを提供し、プロジェクトオーナーは地域社会に直接利益をもたらす多くの取り組みに資金を提供しています。

Infobox

- 年間約313,500MWhのクリーンエネルギーを送電網に供給
- 30人の常用雇用と50人以上の臨時雇用を創出
- タービン、発電所、調整池を含む再生可能エネルギーのインフラを構築する。
- 年間平均270,000トンのCO2削減を実現